「新しい公共」は中央教育審議会の答申用語〜参院選の争点もまた抑止力論に続く官僚の罠


先日、鳩山が参院選の争点を所信表明演説でも使った「新しい公共」とすることを表明しました。
ところがこの「新しい公共」という言葉は中央教育審議会の答申に出てくる言葉でして、文科省の官僚用語として5年以上前から使われています。


これでは官僚の思う壺で、民主党は早めに争点を変更しなければ、5月末の普天間問題のように今度は参院選の真っ只中に時限爆弾がセットされてしまっています。
野党に突っ込みどころを提供することにもなりかねません。





普天間移設の5月末決着という期限も、本人が考えたのか何なのかよく分かりませんが、さしたる意味はなさそうです。
参院選対策だ!」との声もありましたが、これが決着して参院選に向けての功績(票)になるかというと、沖縄では大勝利でしょうが、本土では関心が薄く票につながるかどうかは微妙…というか、票にはならないでしょうね。


http://d.hatena.ne.jp/nessko/20100420/p1
普天間 鳩山首相は何故5月末までと言ったのか

この、5月末、という期限は、なぜ出てきたのか? 田勢康弘「愛しき日本」によれば、次のような事情だという。


「5月末」という期限は首相自らが設定したものである。米国が求めたわけでもない。なぜ5月末なのか、と国会で問われて、首相は「そのことを決めた時期が昨年12月だったので半年後、と考えた」と述べ、さしたる意味がなかったことを明らかにしている。
(引用元:四国新聞2010年4月18日号 田勢康弘「愛しき日本」)


国会でそう答弁しているのであれば、場合によっては5月末という期限までに決着できなくても、それならさらに先に延ばして解決策を考えるようにしてもいいのではないかと思ってしまうのだが、周りが退陣に追い込まれないよう配慮して姿勢を変えようとしても、鳩山首相自身が「5月末まで」と言い切り、自らの進退問題に発展しかねないような状況を引き寄せているそうだ。
しかし報道する側も、「5月末」という期限には、さしてこだわる理由はないということをちゃんと伝えようとしていないですよね。妙な期限にこだわる鳩山首相がおかしい、そう報道してもいいのでは。


どうもその期限をJ官業マスゴミに利用されているようで、仮に「5月末」という期限が誰かの入れ知恵だとすれば、国民の選挙ではなくして、政治家の離合集散という政界再編で一時的に政権が交代したときの首相である細川に国民福祉税を吹き込んだような官僚でしょう。


「5月末」が官僚の入れ知恵でなくとも、最近の鳩山は外務官僚や防衛官僚にやられっぱなしで、抑止力論の罠にも引っかかっているそうです。


http://opinion.infoseek.co.jp/article/846
“抑止力論の罠”に絡め取られた鳩山首相


つまり、"抑止力"を巡っては、(1)素朴かつ感情的な米軍基地不要論、(2)自民党政権や日経はじめマスコミのこれまでの日米間の"常識"に経った基地必要論、(3)"日米対等外交"という新しい発想に立った米軍基地"仕分け"論――という3つのレベルがあって、鳩山はこの1年近くをかけて(1)から(2)へと到達したことを今回表明したのだったが、これでは「そんなことも知らなかったのか」(名護市での対話集会に出席した住民、朝日5日付)と言われるだけである。

 本論説では何度も書いてきたので、今更繰り返すのも気が重いが、例えば、北朝鮮の"脅威"に対する海兵隊の役割として、米太平洋軍海兵隊のスタルダー司令官が3月末に来日して「南北の衝突より金正日体制の崩壊の可能性の方が高く、その時、北朝鮮の核を速やかに除去することが最重要任務だ」と語ったことについて、鳩山政権は米国と議論したのかどうか。

 北の対日直接侵攻、核攻撃、南北衝突、北の内部崩壊など、同じ「朝鮮半島の火種」と言っても規模も性質も異なるいろいろな危機シナリオがあるのはもちろんんことだが、そのうち現実的な問題として日米が対処しなければならないのはどれとどれで、その優先順位はどうで、さらにそのうちで海兵隊が関係があるのはどれなのか。

 もし司令官が言うのが本当だとして、それなら海兵隊は韓国に駐留したほうがいいはずで、なぜ沖縄なのか。しかも、現行の06年合意では1万2000人の現有在沖海兵隊のうち8000人をグアムに引いて5000人を残すことになっているが、それは司令官の言うシナリオとどう関係するのか、等々。

 「中国の海軍力増強」というが、それは主として米第7艦隊の問題で、海兵隊はほとんど関係ないのではないか。中国が台湾に上陸侵攻した際に海兵隊が地上戦闘に加わるというシナリオはあるのかどうか(多分、ない)。台北の米人救出? そのために沖縄に待機しなければならないというものでもないでしょう。

海兵隊が沖縄から出て行ったら尖閣諸島はどうなると思う。次の日から尖閣諸島に中国の旗が立つだろう」と米政府高官が言っていると、朝日新聞5日付の船橋洋一主筆が書いているが、これこそ典型的な"抑止力"を御印籠とした対日恫喝で、彼も言うように「尖閣列島を守るのはまずは日本の自衛隊海上保安庁が果たすべき役割」であるし、大体、仮に中国が尖閣を支配しようとしても米国が中国との軍事紛争突入を賭けてその防衛のために出動する予定があるのかどうかも定かでない。


マスゴミマスゴミで相変わらず以下の引用のように報道ではなく捏造創作ドラマのような民主叩きばかりですが、沖縄県民の心は5月末の決着ではなく、「最低でも県外」との鳩山の主張に共感しているのであり、鳩山はJ官業マスゴミ、特に官僚の悪巧みに騙されて欲しくないところです。


http://www.asyura2.com/10/senkyo85/msg/933.html
「鳩山VS沖縄県民」をひたすら煽るテレビの無責任報道 沖縄県民もブチ切れた! 【日刊ゲンダイ】より

朝から晩まで普天間基地移設問題を取り上げ、鳩山首相を叩き続けるテレビ。基地ありきで何でも進めてきた前政権からの脱却を図ろうとする姿勢を完全無視し、ひたすら「鳩山VS沖縄県民」を煽る報道は意図的としか思えない。そんなテレビの取材・報道には沖縄県民もブチ切れ寸前だ。

誘導尋問で“総理憎し”を引き出す姑息
「名護市民会館で、日テレにインタビューされた。ひたすら鳩山への文句を言わせようとする誘導尋問の応酬。撮りたい絵しか撮らない」

ツイッターでテレビの取材姿勢に疑問を呈した沖縄出身のミュージシャン、知花竜海氏が言う。
「記者の質問が『鳩山首相に言いたいことは何か』だけなのです。県民が今、そう問われれば、県外を訴えるし、鳩山首相にも怒りの感情に似た言葉を言ってしまうでしょう。しかし、そういう声だけを切り取って(VTRに流し)『鳩山辞めろ』に利用されるとすれば、おかしいことです」

ほかにも「取材で『鳩山首相にエールを送る』と答えたら驚かれた、鳩山憎しの絵が欲しかったんだろう」「『沖縄県民対鳩山』の報道ばかりでウンザリ」……など、ネット上にはテレビの取材・報道姿勢に対する県民の怒りの声が渦巻いている。

「テレビの“誤報”はこれだけじゃありません。鳩山首相が沖縄訪問した際に県民が着ていた黄色の服装の意味も間違えている。テレビでは鳩山首相に対する『抗議の色』『イエローカード』と報道されているが、あくまで『基地はノー』という意思表示です。みのもんたが司会を務める7日のTBS『朝スバッ』では、故鳩山一郎元首相夫妻の墓石にかかっていた塗料の黄色と、沖縄を結び付けるような発言が出ていましたが、お門違いもいいところです」(沖縄在住ジャーナリスト)

テレビ報道では分からない沖縄県民の本音はどこにあるのか。
「沖縄の人は、鳩山首相を批判して追い詰めても、状況は良くならないことを分かっています。前政権で無視され続けた声が、今のように報じられることにも感謝しています。だからこそ、いい結果を出してほしい。5月末の締め切りを焦って変な結論を出してほしくないと願っているのです」(知花氏)


(文中敬称略)