非核三原則を二原則にする必要は全くない〜1992年以降、アメリカによる核の持ち込みなし〜

アメリカとの密約を元政府高官が認めたことにより、選挙後の政権は現実的対応を…との声も一部で上がっています。
ところが、アメリカによる核の持ち込みは米露の対立が深刻化していた冷戦中のことであり、とっくに艦船からの核は撤去されているということです。


http://kakujoho.net/us/tmhk.html
>これらのミサイルは、1991年9月27日にブッシュ(父)大統領が、水上艦船及び攻撃原潜から核兵器を撤退すると宣言したため、翌年以来、原潜には搭載されず、陸上で保管されているものです。


『これらのミサイル』とは核弾頭型巡航ミサイル「トマホーク」のことです。
日本に寄港していた艦船や原潜で「持ち込みの密約」に該当していたのは、主にこの巡航ミサイルで、現在はアメリカの陸上で保管されています。
現在の海洋における核の状況は、戦略核兵器削減条約(START)で認められたICBM級のSLBMを搭載している原潜がロシアと北極を間にして対峙しており、日本に寄航する原潜との規模が全く異なるそうです。


専門家の方曰く、『非核三原則から非核二原則に「持ち込みたい」日本の一部の連中の頭の中はまだ冷戦期の思考から抜けておらず、アメリカが日本に核を持ち込むことを公に容認すれば、アメリカ様が喜ぶと勘違いしているのではないか』とのことです。


冷戦期なら歓迎されたかも知れませんが、冷戦の終結で事態が様変わりした現在、持ち込んでいない核について「どうぞ堂々と持ち込んでください」とアメリカにゴマをすっても何の意味もないそうです。
何やら核搭載艦の任務の訓練は相当に大変らしく、本来任務に集中できないほかにも、事故の危険性のリスクなどを考慮すると、今更艦船に核を搭載するのもかなり面倒なのだとか…。


湾岸戦争以降、ピンポイントで対象を攻撃できることが可能であることもテレビゲームのような映像で分かっており、空母や軍艦のような目立つ目標に核を搭載することのデメリットも考慮されたのではないでしょうか。