誤探知騒ぎの危険性

また、4月のテポドン発射時、4日の発射予定日に誤探知で騒ぎになりましたが、あのような体たらくを北朝鮮に見られたのも痛手です。
南北朝鮮は朝鮮戦争が終わっておらず休戦状態ですが、朝鮮半島で再び戦火が上がる際のシナリオのひとつには「南でも北でもない勢力が南と北の双方を攻撃することで、互いに相手が先に攻撃してきたと誤認させて憎しみを煽り交戦状態となる」というようなことまで想定されているような地域です。



陰謀渦巻くという感じですが、誤探知騒ぎやテポドンに対する誤った認識によるヒステリー状態などを見ていますと、朝鮮半島情勢に対する日本外交の杜撰さが恐ろしく思えます。
その誤探知騒ぎの様子が既に北に知られているのは確実ですから、例えば、テポドンや中距離サイルをわざとらしく配置、裏から日本政府筋に「あれは日本を攻撃するものだ」ともっともらしく働きかけ、「何らかの飛翔体」やレーダーに映る何かの物体等を用い、先制攻撃論者が動いて北のミサイルを攻撃するとすれば…日本にとってはかなりの危機的状況となります。
北は「衛星を打ち上げるロケットを破壊された」などと宣伝、一方的に攻撃された被害者として振る舞うはずですし、その時点で日本に何の被害も出ていなければ悪者にされてしまうのは日本です。



更には、テポドン発射が4日ではなく5日だということはアメリカと中国には北朝鮮から連絡があり、韓国もアメリカから連絡があったということですが、日本には連絡がないまま5日の発射を迎えたということもあまり知られていません。
この報道は、誤探知騒ぎやテポドンに対する誤った認識によるヒステリー状態に加え、それを上回る程に空恐ろしいものでして、日本の外交がアメリカとの間でさえ機能していない(アメリカから韓国以下に見られているか、外交交渉能力が韓国の方が上のどちらか)ということを示しています。